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公益信託 日本動脈硬化予防研究基金(JAPF)  

●心血管疾患とは何か ●迫り来る高齢化社会の課題
●動脈硬化はどのように起こるか ●危険のシグナル
●動脈硬化を防ぐには(1)コレステロール 食生活を中心に
●動脈硬化を防ぐには(2)血圧のコントロール 運動を中心に


血圧のコントロール 運動を中心に

よく歩く人は健康になる

心血管疾患の予防には、生活習慣の改善が重要ですが、なかでも適度な運動は大きな効果をもたらすことが知られています。
適度な運動は、血圧の低下、善玉コレステロールの増加、中性脂肪の減少など、動脈硬化の危険因子を大幅に解消することができるのです。
“運動"といっても、特別なことをする必要はありません。歩く(ウォーキングをする)だけでも、動脈硬化の予防に役立ちます。

心臓病の相対危険率

a…

ほとんど歩いていない人(10分未満)

b…

ほどほどに歩いている人(1日平均ゆっくり45分間は外出して歩く)

c…

ふつうに歩いている人(1日平均75分間くらい歩く)

d…

よく歩いている人(1日平均2時間は外出してキビキビ歩く)

e…

とてもよく歩いている人(1日平均3時間くらい歩く)

上のグラフは、毎日の歩行時間と心臓病のリスクの関係を示したものです。
よく歩く人ほど、心血管疾患を発症する危険率が下がることが、おわかりになるでしょう。

生活習慣病の予防に最適な「有酸素運動」

もっとも、運動なら何をしても効果があるわけではありません。心血管疾患の予防には、ウォーキングに代表される「有酸素運動」が、もっとも高い効果を示してくれます。
有酸素運動とは、リズミカルな呼吸を繰り返し、大きな筋肉群を使って継続的に行うことで、酸素を有効に取り込む運動のことです。ウォーキング(歩行)のほかに、軽いジョギング、水泳、サイクリング、エアロビック・ダンスなどがあります。

有酸素運動がもたらす効果には次のようなものがあり、心血管疾患のみならず、生活習慣病全体の予防に役立つことがわかります。

・基礎代謝量の増加
・体重維持と減量
・血圧の改善
・心肺機能の向上
・高脂血症の改善
・血糖値コントロール能力の改善
・ストレスの解消

また、メタボリックシンドロームで重要な意味をもつ内臓脂肪は、運動によって燃焼しやすい性質をもっています。そのため、メタボリックシンドロームの治療には、適度な運動が最適です。

一方、瞬発的競走、重量挙げ、柔道、サッカー、テニスといった激しい運動は、心血管疾患の予防には、必ずしも適していません。
前述したジョギング、水泳、サイクリングなどでも、激しすぎたり無理をすると、活性酸素が生じて逆効果になります。
とくに動脈硬化になりかかっている人は、この点に注意してください。年配の方にはウォーキングがもっとも適した運動といえます。その場合、背筋を伸ばして姿勢を正しく、腕を振って、リズミカルに歩くよう努めましょう。

運動の強度について

運動の種類ややり方によって、運動の強度や必要とするエネルギー量が異なります。
そこで、運動に必要なエネルギー量として、メッツ(METS)という単位が考え出されました。1メッツは、安静時に体が必要とするエネルギー量のことです。
たとえば、5メッツの運動は、安静時にくらべて5倍のエネルギーが必要であることを意味します。

心血管疾患の予防に適した運動は、4〜8メッツ。中程度から少し強めの運動に当たり、体内の脂肪をもっとも効率よく燃やすことができます。

各運動のメッツ数を知っていれば、その運動によるエネルギー消費量も、次の式で簡単に算出できます。

エネルギー消費量(kcal)≒メッツ×時間×体重(kg)

たとえば、体重60kgの人が8メッツの運動を30分間行うと……
8(メッツ)×0.5(時間)×60(kg)≒240(kcal)

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